2010年12月23日

色々



  


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2007年10月29日

また買わねばならんのか

久々にまた「買わねばならんのか」本。

posted by 半端者 at 02:41| Comment(12) | TrackBack(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月21日

武光誠の怪談学

書名:武光誠の怪談学〜日本人が生み出した怪異の正体とは
著者:武光 誠(明治学院大学教授)
出版:青春出版社
内容:鬼・怨霊・幽霊・化け猫・・・日本的精霊崇拝と怪談はい
  かに結びついたのか。その起源と系譜を、日本独自の神道的
  世界観をキーとし、平安貴族社会→武家社会→江戸時代、と
  時代に応じて変化してきた社会と怪談の関係をダイナミック
  に読み解く。「日本人なら知っておきたい武士道」「同・神
  道」「同・古代神話」の作者による、痛快なる「怪談評論」。

感想:昔話には「怖い話」が多いことは、洋の東西を問わない。
  だが何を怖がり、どういった「怖い話(怪談)」が流行する
  かは、時代と地域によって異なっていることは明らかだろう。
  本書では特に日本人の歴史と怪談のかかわりについて、平安
  貴族の時代における怪談の起こりから説き起こし、神道的世
  界観に基づく日本独特の「怪談観」を説明する。

  続いて古今東西の怪談話の基本的構造を分類した上で、どの
  ような話がどの時代に流行ったか、そしてそれが社会背景の
  変化とどのように関わっているのかを読み解いていく。そし
  て、そこにはどんな昔話にも共通する日本的倫理観が常に背
  景としてあり、それが他の文化(絵画や他の文学)にも影響
  を与えていることを、豊富な資料を交えて分かりやすく解説
  してくれる。

  筆者は何かにつけて「神道的モラルに基づく教訓」へ結論を
  持って行ってしまう傾向がありその点は少々偏りを感じるが、
  それでも大変面白い「妖怪本」であると思う。
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日本人なら知っておきたい古代神話

書名:日本人なら知っておきたい古代神話
著者:武光 誠(明治学院大学教授)
出版:河出夢新書
内容:朝廷の手で「古事記」「日本書紀」という二大書物にまと
  められた日本神話は、当時の政治的思惑によるバイアスも確
  かにあるものの、千数百年の長きに渡り語り継がれてきた
  「日本人の心の拠り所」であることは否定できない。そこに
  描かれた様々なエピソードから、日本人の心のルーツを読み
  取ることができる。奇想天外なエピソードからなる日本神話
  を楽しみつつ、「この国の原点と、大和民族の心」を読み取
  ろうとする、異色の評論。

感想:かりにも日本人であるならば、一度はアマテラスオオミカ
  ミの岩戸隠れとか、スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治
  の話とかいう日本神話のエピソードを聞いたことくらいはあ
  るだろう。だがそれらをまとめた日本神話の体系が何かとい
  ってもなかなか分かる人はいない(かく言う私も同様だ)。

  そもそも古事記・日本書紀とも、その内容は互いに矛盾する
  多くの異伝が並び、とうてい一環したストーリーとして読み
  解くことはできない。基本的に朝廷の支配を正当化すると言
  う目的のもと色々歴史的事実を歪めて盛り込んでいる面も否
  定できない。しかし全てのエピソードの根底には、世界の多
  様性を受入れ、命を尊び、労働を尊び、あるがまま穏やかに、
  大らかに生きることの大切さを謳う日本人の素朴な世界観が
  脈々と流れている。

  本書は、あまり知られていないイザナギ・イザナミ以前の造
  化三神(アメノミナカヌシノカミ、タカミムスヒノミコト、
  カミムスヒノミコト)から始まり、天孫降臨にいたるまでの
  主な神話エピソードを丁寧に紹介しつつ、そこから伺える
  日本的倫理観と、神道の形成について論じている。
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幻の終戦工作〜ピース・フィーラーズ1945夏

書名:幻の終戦工作〜ピース・フィーラーズ1945夏
著者:竹内修司
出版:文春新書
内容:太平洋戦争末期、当時日本外務省はソ連を通しての和平
  工作を主軸として動いていたが、米国を相手とする直接の
  和平工作ルートも数多く存在した。

  そのうち藤村・ダレスルートというのは割りと有名なのだ
  が、もうひとつ。国際決済銀行顧問ペル・ヤコブソンらに
  よる、水面下の和平工作が存在し、かなり緊密に日本の立
  場にも配慮した交渉が進められていたことは、あまり知ら
  れていない。

  本書は、スイスを舞台に行われた極秘工作の全貌を、新た
  に発掘されたヤコブソン自身の詳細な手記をもとに克明に
  再現する。

感想:1945年1月に入り、いよいよ太平洋戦争における日本の状
  況が絶望的なものとなった。当時日本外務省はソ連を通して
  の和平工作を主軸として動いていた。これがいかに愚かしい
  選択であったかはその後のソ連の不誠実極まる対応を見れば
  明らかだったが、それは別として米国を相手とする直接の
  和平工作ルートがあった。

  その仲でも最も実現の可能性が高かった、と筆者が主張する
  のが、国際決済銀行顧問ペル・ヤコブソンと、同銀行の北村
  理事、吉村為替部長によりスイスを舞台に行われた水面下の
  和平工作である。本書では、当事者であるヤコブソンが残し
  たほぼ1日単位での詳細な手記、米国に残る外交暗号通信の
  解読記録(日本の暗号はほぼ筒抜けだった。情報戦でここま
  でやられていたのでは、負けて当然である。)を交えて、こ
  の交渉の経緯を克明に再現している。

  これを見れば、「無条件降伏」という言葉の意味と「日本の
  国体護持」を巡ってかなり緊密に日本の立場にも配慮した交
  渉が進められていたことがよくわかる。だが周囲の様々な無
  理解・人間不信のため、ついにその交渉は実を結ばないまま
  本土各地は空襲に見舞われ、原爆は落とされ、ソ連の一方的
  参戦を招いた。

  歴史を学ぶにあたりIFは禁物だというが、この交渉を見る
  につけ「もしこの交渉をもっと日本政府が真面目に取り上げ
  ていたら!もし米国が今一歩踏み込んで交渉してくれていた
  ら!もしソ連を信用しすぎるという愚を犯さず、かの国の真
  意を見抜いていたら!」と思わずにはいられない。

  ところで、当時のソ連の不誠実な対応には、実は日露戦争で
  ロシアが味わった屈辱に対する怨念が影響していたのであろ
  うことは、想像に難くない。だがロシア側のあの敗戦は自業
  自得であり、日本に恨みを持つのはそもそも筋違いだ。

  やはり一日本人として、1945年のかの国の不誠実は、断じて
  許しがたい。
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時間の分子生物学

書名:時間の分子生物学〜時計と睡眠の遺伝子
著者:粂和彦
出版:講談社現代新書
内容:地球上のほぼ全ての生物には、24時間という周期で時を刻
  む能力が備えられている。これが生物時計である。24時間常
  時活動を続ける人間もまた、その支配を免れ得ない。遺伝子
  の仕組みが明らかとなり、生物時計の生化学的仕組みは20世
  紀末の数年でほぼ解明されたが、なお謎は数多く残されて
  いる。

  本書はその謎のひとつ「睡眠」について、遺伝子の機能との
  関係に関する最新研究成果を紹介しつつ、分かりやすく説く。

感想:生物時計について脳科学の見地から40分の1サイクルという
  細かな動作について紹介し、そこから意識とは何かについて
  哲学的考察にまで話題を広げているのが「脳の時計・ゲノム
  の時間」であるが、本書では1日単位の生物時間、いわゆる
  概日周期を話題の中心として、ショウジョウバエの研究結果
  などから明らかになってきた、遺伝子レベルでの生物時計の
  しくみについて説明している。

  そして、周期に関連して現代人の悩みの種である「睡眠」を
  巡る様々な謎を紹介し、特にその謎を解く突破口とも言える
  睡眠障害の症例「ナルコプレシー」について分かりやすく説
  いている。

  生化学的な見地から睡眠について考察した一般向け解説書と
  して、大変分かりやすい。それはさておき、やはり規則正し
  い時間に就寝するのは大事である。夜更かしはいけない、
  と改めて実感している(言行不一致もはなはだしいが)。
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2007年10月10日

あの戦争は何だったのか

書名:あの戦争は何だったのか〜大人のための歴史教科書
著者:保坂正康
出版:新潮新書
内容:戦後60年の間、太平洋戦争は様々に語られ、記されてきた。
  だが、本当にその全体像を明確に捉えたものがあったと言え
  るだろうか。旧日本軍の構造的問題から説き起こし、どうし
  て戦争を始めなければならなかったのか、引き起こした「真
  の黒幕」とは誰だったのか、その実態をいぶりだす。単純な
  善悪ニ元論を廃し、「あの戦争」を歴史の中に位置づける唯
  一無二の試み。

感想:太平洋戦争、あるいは大東亜戦争と呼ばれた戦争の原因と
  歴史上の意味を公平に評価するというのは、実は難しい。い
  わゆる東京裁判なる政治的イベントに基づいて喧伝された
  「侵略戦争観」が旧連合国側の極めて一方的な主張に過ぎな
  いことはもはや常識であるし、また一方で「アジアを開放す
  るために必死に戦った無垢な新興国大日本帝国」のような一
  部主張にもとうてい納得はしかねる。

  本書は、そういう偏見に満ちた主張を廃し、あの悲劇がどの
  ようにして起きたのか、どこに原因があったのかを日本の政
  策レベルから論じている。個人的には初耳であったいくつか
  の事実も紹介されており、大変興味深かった。その中でも印
  象的だったのは、「対米開戦の直接のきっかけとなったのは、
  従来の史観では開明的といわれていた海軍の、国防政策委員
  会の誘導によるところが大きい」という点だ。

  同委員会が開戦前「日本の石油備蓄は、このままでは2年も
  たない」というせっぱつまった報告をしているのは、実は充
  分な数字の根拠なしに主張したものだった。しかも本書によ
  れば、なんと当時ある民間交易会社(詳細は説明がない)が、
  海外で石油合弁会社を設立し、不足を解消しようとするプロ
  ジェクトがあったという。海軍の同委員会は圧力をかけてこ
  れをつぶしてしまったというのだ。

  なぜ海軍がそんなことをしたのか?本書では当時陸軍の活躍
  ばかりが目立っていたからとも、大艦巨砲主義の力に自信が
  あったからとも推定しているが、正直私にはよく分からなか
  った。

  このトピックがどれくらい事実に近いのかは不明である。だ
  が少なくとも、本書の主張として読める以下には同意できる。

  「統帥権を天皇にあり、とする大日本帝国憲法の規定がネッ
  クとなり、陸軍・海軍ともにその暴走を止める安全弁が働か
  なかった。」
  「日本は、国家戦略における戦争の位置づけを明確に意識し
  ていなかった。ゆえに本来なら極めて革新的な思想であった
  大東亜共栄圏構想が説得力を持ち得なかった。
  「戦争に突入するにしても、これをどのように収拾するかと
  いう現実的構想もなしに、ズルズルと問題解決を先送りに
  した。」

  これらの点については全く同感である。今なお、こうした国
  家戦略としての誤りを公的レベルできちんと統括し、国民的
  合意を得る努力もせず、ただ無定見に「日本は二度と戦争を
  起こさない」とのみ主張してきた日本政府は、未だ真の意味
  で戦後を統括していないとすら、言えるかもしれない。

  これではいかに大規模で多彩なODAの実績、積極的な平和
  外交などがあろうと、アジア各国からの充分な信用を得るこ
  とはできないし、日本の歴史に対する不当な偏見を払拭する
  ことなどできようはずがないと考える。
posted by 半端者 at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月08日

哲学思考トレーニング

書名:哲学思考トレーニング
著者:伊勢田哲治
出版:ちくま新書
内容:宣伝文句より〜テツガク、なんて小難しいだけで、日常の
  現場では何の役にも立たないのではないか?否、それは工夫
  次第で志向のスキルアップに直結するものだ。本書では、分
  析哲学、科学哲学、懐疑主義、論理学、倫理学などの思考ツ
  ールを縦横無尽に使いこなす術を完全伝授!もっともらしい
  屁理屈や権威にだまされず、かといって不毛な疑いの泥沼に
  陥ることもなく、一歩ずつ筋道を立てて考え抜くコツが身に
  つく。すぐにも応用可能なノウハウを習得しながら、哲学的
  思考の真髄も味わうことのできる、一粒で二倍おいしい知の
  道具箱。

感想:権威や偏見に囚われることなく、いかにして人の考え方を
  理解し、自分の考えを明確化し、そしてそれを他者に理解さ
  せて知的コミュニケーションを成立させるか。そのために必
  要な思考方法を最も簡易な用語で表現すると、恐らくは「ク
  リティカル・シンキング」という哲学上の用語が最も適当だ
  ろう。

  本書ではこれを「情報の送り手と受け手双方の共同作業の中
  で、社会に共有される情報の質を少しでも高めていくための
  ものの考え方」と位置づけ、「最初の心構えをどうするか」
  「議論をいかに明確化するか」「様々な周辺の情況(文脈)
  に応じた対応」「様々な前提の建て方」「様々な推論とその
  適応上の留意点」について分かりやすく解説している。

  本書のおかげで、日ごろ知らず知らずのうちに心がけていた
  「生産的な議論をするうえでの心構え」について、理論的な
  裏づけをこの本から再確認することができた。世の中の一般
  に「頭が良い」ように見える人の中には、難しいことを難し
  いままでしか説明できず、その自覚もないため言いっぱなし
  になったまま、それでも自分では議論をした気になっている
  人が実に多い。もちろん、かく言う私自身もそうした部類に
  入りがちなのは承知している。

  せめて常に謙虚に自らの行いを振り返り、改めるべきは柔軟
  に改めることを恐れず、生産的コミュニケーションの実践を
  図っていくべく心がけていきたいものだ。

  なお、本書では「クリティカル・シンキング」のほんの一側
  面をハウツー的に説明したものでしかないとも言えるので、
  機会があったらさらに考えを深めておきたい。
posted by 半端者 at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月06日

日本語の作文技術

書名:日本語の作文技術
著者:本田勝一
出版:朝日文庫
内容:多田道太郎氏による巻末の解説文より〜ちゃんとした日本
  語を書こうと思ったら、まず、勉強に本田勝一氏の「日本語
  の作文技術」を読め。これが私の持論である。・・・全巻を
  通読しなくてもいい。第一章から第四章まで読めば、それだ
  けで確実に、文章はよくなる。この本は、そういうスゴイ本
  なのだ。〜

  1982年に出版されて1998年には29刷が出ており、
  恐らくは現在も息長く読まれている「分かりやすい日本語
  文」を作成するためのバイブル。

感想:部屋の整理をしたら出てきた、現在でも座右の書としてお
  くべき傑作。思わずまた読み返してしまった。本書はまず、
  日本語の文章を書くための基本的な技術を教育する機会がな
  い現状を厳しく批判し、正しく日本語の文章を作るうえで基
  本となる考え方につき解説している。

  具体的には、まず述語主導ともいうべき日本語の文法的特性
  をきちんと特徴づける。次に、とかくおろそかになりがちな
  句読点の打ち方が日本語文章の分かりやすさを決定的に支配
  しているとし、そのルールをできる限り厳密化している。

  本書で問題視している日本語作文教育の貧困は、現代にも通
  じている問題であると思う。また本書では、主に英語人のも
  つ偏見に基づき流布され現代もはびこっている「日本語があ
  いまいで論理性に欠けている」といった迷信を厳しく糾弾し、
  日本語の特性を踏まえた文法論を確立する必要性を説いてい
  る。現在、この問題意識は日本語研究にどれほど生かされて
  いるのだろうか?

  本書は、確かに古い。特に、インターネット上で横書きの文
  章を手軽に発信できるようになった今日では、推敲に関する
  考え方などは必ずしもあたらない。とりわけ携帯メールが
  PCメールを圧倒して普及してきている今日、この本の内容
  を古臭いと一蹴することは簡単だろう。しかし、その底流に
  流れる言葉を大切にしたいという考え方は今日でも決して忘
  れてはならない、重要な要素であり続けていると思う。


  
posted by 半端者 at 02:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脳の時計、ゲノムの時計

書名:脳の時計、ゲノムの時計〜最先端の脳研究が拓く科学の新地平
著者:ロバート・ポラック/中村桂子・訳
出版:早川書房
内容:ものを感じ、意識し、覚えるといった脳の活動のメカニズ
  ム。今日、そこでは様々なリズムで時を刻む多くの種類の
  「体内時計」が重要な役割を果たしていることが分かってき
  た。これらの起源は、生命が誕生した数十億年前にまで遡る
  ことができる。

  はるかな昔に死滅した種のために作られた時計に動かされて
  いる我々の脳は、何を考え、何を目指すのだろうか?世界的
  に著名な分子生物学者が、最新の研究成果を紹介しつつ、脳
  と意識、生と死を現代科学がどう捉えていくべきか、その進
  むべき道を模索する。

感想:本書は2000年に訳書が出版された比較的古い本で、タイト
  ルのみ知りながら今まで読みそびれていた。タイトルと副題
  を見ると、まず疑問に感じるのは脳科学とゲノムのかかわり
  である。前者は確かに現在急速に研究の進む分野であり、本
  書では脳の働きについて常に実時間より概ね0.5秒の遅れ
  があり、また脳の情報処理サイクルが概ね40分の1秒程度
  であるがゆえにそれ以上短い時間は直接認識できないことを
  紹介している。しかし、それが生物種としての時間サイクル
  をつかさどるゲノムとの関係をどう説明しているのだろうか?

  著者は、脳に関する感覚・意識・記憶・無意識に関する研究
  を通し、「留めようのない時間の流れと、それによりもたら
  される死への恐怖」こそが科学の姿を決める重要な要素であ
  るとする。その上で、ウイルス感染やガンとの際限の無い闘
  いにおいて「死を否定する」立場から医学に取り組むことの
  問題点を指摘し、より高い見地から生と死を密接不可分なプ
  ロセスとしてみた上で真に幸せを与える科学の方向性を示唆
  しようとしている。

  しかし、これは訳者も指摘しているとおり、少々へ理屈くさ
  い面がある。前半の「脳にかかる時間概念」についての脳科
  学的・哲学的考察と、後半の医学哲学はそれぞれ別個には納
  得できるのだが、その関連付けにはいまひとつついていけな
  いものを感じた。でも、大変示唆にとんだ興味深い本である
  ことは間違いない。
posted by 半端者 at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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