2006年06月05日

フェルマーの最終定理(サイモン・ジン著)

フェルマーの最終定理ものを、もう一冊。


書名:フェルマーの最終定理〜ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
著者:サイモン・ジン
出版:新潮社
内容:前記アグゼルのベストセラーと同様、「x^n+y^n=z^nは、nが
  2より大きいとき自然数解をもたない」という17世紀の数学者フェルマー
  が主張した伝説的命題についての解決までのドラマを、名だたる数学者たち
  の挙げた数え切れないほどの知的成果とからめ、より詳細に、かつダイナミ
  ックに描く。

  原著刊行は1997年、ワイルスの最終的な論文が提出された1995年の2年後、
  アグゼルによる同じテーマでの本の後で、BBCのドキュメンタリー番組制作に
  あわせて執筆されたものである。

感想:前述の本の著者アグゼルが数学を専攻しており、専門は統計学であった。
  これに対しサイモン・ジンは、素粒子物理学を専門とする物理学者である。
  このためか、この世紀の難問に伴い派生した数学発展の歴史につき、物理学
  における大統一理論とのアナロジーとして谷山・志村予想を記述していると
  ころに個性がある。

  あらすじのエッセンスのみ取り出すと、フェルマーの最終定理を示す際のポ
  イントは、当初は全く関係の無い数学の一分野としてそれぞれ独自に発展し
  てきた楕円方程式の理論と、モジュラー形式と呼ばれるものについての理論
  が、本質的に一対一対応するという谷山・志村予想にある。このように数学は、
  多くの理論の間を統一するという大きな流れで発展してきたともいえるので、
  この見方は適切だと思う。
posted by 半端者 at 04:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

天才数学者たちが挑んだ最大の難問

ちょっと古い本だが、内容の豊富さの割にはすっきりと読める。著者は、以前紹介した量子力学のからみあいに関する本「量子のからみあう宇宙」と同じである。



書名:天才数学者たちが挑んだ最大の難問〜フェルマーの最終定理が解けるまで
著者:アミール・D・アグゼル
出版:ハヤカワ文庫
内容:「x^n+y^n=z^nは、nが2より大きいとき自然数解をもたない」
  17世紀の数学者フェルマーが主張したこの単純な命題は、300年もの間数学
  者たちを魅了し続けてきた。この問題が証明されるまでの壮大な知のドラマ
  を、これに関わった古今東西の数学者達の群像とからめて生き生きと描く。
  原書刊行は1996年。
感想:その表面上の単純さとは裏腹に、その問題は数学の最も高度にして美しい
  理論を持って初めて解くことのできる、超絶の難問であった。本書は、この
  問題をきっかけとして生まれたともいうべき壮大な数学理論の誕生と発展の
  有様を、数多くの数学者たちの姿とも絡めてダイナミックに語った、アグゼ
  ル氏によるベストセラーである。

  ワイルスの証明成功が報じられた当初はあまり注目されていなかった、解決
  へ向けての重要なマイルストーンである谷山・志村予想のこともきっちりと
  紹介しており、その名誉回復に貢献している点はうれしい。ただ、その結果
  としてヴェイユやセールをある意味悪役的な位置づけで(即ち、谷山・志村
  予想についての重要性を軽視し続けたとして)紹介してしまっていることは、
  少々色眼鏡的な面がある。
posted by 半端者 at 04:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。