2006年07月16日

コラプシウム

書名:コラプシウム
著者:ウィル・マッカーシイ/嶋田洋一・訳
出版:ハヤカワ文庫
内容:マイクロ・ブラックホールをグリッド状に配置し、安定させた「超光
  速伝導物質・コラプシウム」。文明を一変させたこのトンデモ発明を
  成し遂げた天才科学者・ブルーノ・デ・トワジが、太陽系女王国で起
  こった摩訶不思議な事件を、次々に解決していく!トンガ王朝を祖に
  持つ美貌の処女王・タムラとの淡いロマンスも交えつつ描く、ハード
  熱血・スペースオペラ。
感想:このタイトルとこのあおり文句なら、普通表紙は5,60年代のス
  ペースオペラ的な挿絵を思い浮かべる人も多いだろう。かくいう私も
  武部本一郎画伯の描くバロウズの火星シリーズにはしびれた口である。

  だが今は21世紀。創元推理文庫と並び硬派SFノベルの紹介で有名な
  ハヤカワSF文庫といえど、時代は・・・

  「萌え」  

  らしい。表紙の真ん中を占めるのは、どう見てもVRモノクルをつけ
  たツインテールの女子学生。いわく、小説の途中で起きた殺人事件の
  捜査を統括する捜査局長、ヴィヴィアンだという(爆)。彼女のオリ
  ジナルが死亡したため、過去の姿形の情報と本人の記憶バックアップ
  だけを頼りに、整合性が取れるよう最善の復元を行った結果がこれだ
  というのだが・・・・
  おい。かなり無理があるだろ、その設定(爆^2)

  絶対、アキバ方面からの電波を受けて書いたな、この作者。知識と経
  験はベテランの捜査局長なのだが、体は11歳そこそこのお子様なので
  ソーダを飲みながら指揮を取るし、時折肉体年齢相応の幼児性も表す
  というこのアンバランスさは、絶対そっち方面の影響であろう。主役
  のはずのブルーノはともかく、普通ならヒロイン格である女王タムラ
  が挿絵に出ないで彼女が表紙を飾るというのは傑作である。

  しかしもちろん、そんな軟派な部分とは別にハードSFとしての道具
  立てもばっちりである。コラプシウムもそうだが、究極のインテリジ
  ェント素材であるウェルストーンとか、ほとんどの交通手段を伝送に
  おきかえたファックス技術とか、人格丸ごとのバックアップを複数持
  つのが常識となっている社会で生じる様々な問題とか、アイデアは
  満載。ひさびさに現実逃避できる抱腹絶倒スペースオペラであった。
posted by 半端者 at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 軽めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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