2006年05月18日

「悪魔のサイクル」へ挑む〜

書名:「悪魔のサイクル」へ挑む〜人類は80年で滅亡するU
著者:西澤潤一、上野イサオ
出版:東洋経済新報社
内容:地球が温暖化している。このことは世界中で人々の常識となって
  いる。そしてその温暖化の原因が大気中二酸化炭素濃度の増加にあ
  ると言う点もよく知られている。しかし、その二酸化炭素濃度の増
  加がもたらすもっとも恐ろしいシナリオは、それにとどまらない。
  本書は、二酸化炭素の増加により「何が本当に起ころうとしている
  のか」について、極めて科学的に推理している。それによれば、全
  地球的な炭素サイクルは動作不全を起こしており、このまま人間が
  現在のような消費優先型文明を続けていく限り、極めて近い将来、
  80年後には大気の二酸化炭素濃度は3%に達し、全地球の生命は
  存続できなくなるという。これを踏まえて、人類が持続的発展を保
  ちつついかにして自然な炭素サイクルの再構築に関与していくべき
  か、文明論的観点から論じている。
感想:「人類は80年で滅亡するU」「地球にはCO2を急増させる仕掛
  けが隠されていた!」「悪魔のサイクルが起動しようとしている」
  といったあおり文句は実にショッキングであり、一見したところい
  ささか破滅妄想にとりつかれているかのようだ。しかし、二酸化炭
  素の大量放出に対する危機意識が単なる気温上昇、だけのレベルで
  とらえるべきものではないという点については大変よく理解できた。

  本書の提示する二酸化炭素濃度増加の定量的シナリオについて、無
  批判に受け入れることは避けたい。しかし炭素資源の安全なリサイ
  クルを実現するための様々な提言(メタンハイドレードを安全に制
  御するための技術開発など)や、環境の維持と資源の利用、そして
  経済発展を両立させたいという意気込みについては大いに共感する。

  そのために人間が動作不全を起こしている炭素サイクルシステムを
  立て直すために智恵をしぼるべきであるという点に異存はない。

  ただ本書の後半は少々理念が先行し過ぎており、俗に言う「とんで
  も本」系に偏りかけているように感じてしまう。
posted by 半端者 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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