2006年05月18日

キューブサット物語

書名:キューブサット物語〜超小型手作り衛星、宇宙へ
著者:川島レイ
出版:エクスナレッジ
内容:2003年6月30日、ロシアのプレセツクにあるロケット射出場から、
  1機のロケットが打ち上げられた。そこには、東京大学・東京工業
  大学の学生たちがゼロから開発した手作りの人工衛星が載せられて
  いた。

  一辺わずか10センチの立方体に過ぎないが、そこには学生たちや彼
  らを支えた大人たちの智恵と技術、そしてあふれんばかりの夢と希
  望がつまっていた。これは3年半にわたるプロジェクトにおける、
  彼らの奮闘の記録である。

感想:1999年9月11日、この日アメリカ・ネバダ州の砂漠で、ジュース缶
  サイズの人工衛星による、打ち上げ実証実験が行われた。わずか地上
  4キロメートル程度までの飛行でデータ受信実験を行っただけであっ
  たが、世界の誰もが、そんな小さな人工衛星を学生が打ち上げられる
  とは、考えもしなかった。

  これを実現させた東京大学中須賀研究室と、東工大松永研究室の面々
  が次に取り組んだプロジェクトこそ、「一辺10センチの立方体大の人
  工衛星」だった。小さいサイズに太陽電池・各種センサー・カメラま
  で備えた本格的な観測衛星というのは、まさに世界初の試み。宇宙と
  いう過酷な環境において立派に動作する衛星の開発には多くの困難が
  立ちふさがる。部品の調達ひとつから手探りが続き、続発するトラブ
  ル、厳しい予算、スケジュール管理に追われる毎日。その苦労の全て
  が報われる日がついにやってくる。

  衛星からの正常動作を示すデータ通信が宇宙より届いたとき、学生た
  ちは「体中の細胞という細胞から涙が出る」のを感じた。読み手にも、
  その感動がありありと伝わってくる、ひさびさに感動したノンフィク
  ションであった。
posted by 半端者 at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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