2006年08月10日

若き日の思い出〜数学者への道

以下の書評を書いたのは昨年9月である。残念ながら同氏は2006年6月、逝去されたとのこと。ここに謹んでご冥福をお祈りする次第である。

書名:若き日の思い出〜数学者への道
著者:彌永昌吉
出版:岩波書店
内容:彌永昌吉。少なくとも日本において、この人の名前を知らない数学
  関係者はもぐりである。1906年東京本郷に生まれ東京大学数学科を卒
  業。類体論と呼ばれる数学の一分野を築き上げた日本最初の世界的数
  学者、高木貞治の門弟として日本数学界の基礎を築き上げた、当年数
  えで百歳を迎えながら今なお健在の大数学者である。

  本書は、氏が百歳を期に執筆された半生記であり、氏のざっくばらん
  な人となりが伺えるだけでなく、まさに日本数学界の発展史が一望
  できる、貴重な一冊。

感想:今年(2005年)は彌永先生の白寿(99歳、数えで100歳)を祝う年
  であり、本書はその記念として出版された。基本的に日本経済新聞
  の裏面に掲載されている「私の履歴書」と同様なものだと思えばよ
  い。当時の彌永家の間取りであるとか、ドイツ留学時の話など、明治
  末から大正、昭和初期にかけて日本が比較的穏やかであった時期の世
  相が読み取れる。歴史的な文献としても貴重だ。

  また巻末には氏の専門である類体論の解説などもあり、さほど厚い本
  ではないものの歯ごたえのある一冊である。
posted by 半端者 at 02:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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