2006年08月27日

ダイヤモンド・エイジ

書名:ダイヤモンド・エイジ(上・下)
著者:ニール・スティーブンスン/日暮雅通・訳
出版:ハヤカワ文庫
内容:近未来、ナノテクとネットワーク技術は世界の様相を一変させて
  いた。地域国家は消滅し、人種・宗教・主義・趣味を共有するもの
  が構成する多種多様な<国家都市>に細分化されていた。上海に住
  む「ネオ・ヴィクトリアン」の「貴族」であるフィンクル・マグロ
  ウ卿は、旧態依然の教育に疑問を抱き、一人の技術者ハックワース
  にあるソフトの開発を依頼する。

  愛娘のために、ナノテクの粋を駆使して開発された、画期的な教育
  用インタラクティブソフト「初等読本」がそれである。ハックワー
  スは誘惑にかられ、自らの娘のためにも一部、そのコピーを作って
  しまうのだが、それはひょんなことから貧困にあえぐ薄幸の少女
  ネルのもとに渡る。やがて、ネルは現実と仮想世界にまたがる壮大
  な冒険の旅にでることになるのだが・・・・
感想:以前読んだ文庫4分冊の大作「クリプトノミコン」をものした21
  世紀SFの旗手、ニールスティーブンスンの1996年度ヒューゴー賞
  ・ローカス賞受賞作。ナノテクのイメージを駆使した膨大なアイデ
  アと、数多くの個性的な登場人物・組織の思惑を絡ませた巧みなス
  トーリー展開には、ただただ目を奪われるばかりだ。

  非力でどん底の貧困にあえぐ少女ネルの前で語られる、「若き淑女
  のための絵入り初等読本」の主人公「プリンセス・ネル」(インタ
  ラクティブなので、読者のネルの名前が反映されるのだ!)の数奇
  な冒険と成長が、いつしかネル自身の成長とも重なっていく劇中劇
  の面白さも群を抜いている。

  自立して強く生きる新世代の童話ヒロイン「アリーテ姫」の活躍を
  描いた「アリーテ姫の冒険」を思いだしてしまった。成長後のネル
  の活躍がいささかスーパー過ぎるきらいはあるが、大いに楽しめた。

  もちろん、作者お得意の暗号がらみのアイデアとかも満載。ブレイ
  クした最初の作品「スノー・クラッシュ」のほうも読まねば・・・
posted by 半端者 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 軽めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『 スノウ・クラッシュ』 ニール スティーブンスン (著)
Excerpt: 近未来のアメリカ。連邦府は存在するものの、国家としてのシステムは実質的に崩壊していた。政府の代わりをしているのは、フランチャイズ経営される都市国家。これら都市国家が、パッチワークのように全米に分散し、..
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