2006年08月27日

詭弁論理学

書名:詭弁論理学
著者:野崎昭弘
出版:中公新書
内容:人はしばしば強弁・詭弁の類に悩まされてきた。だが知的な観察
  によってその正体を見極めることができれば、言い負かし術には強
  くならなくとも、詭弁術に立ち向かうための頭の訓練になる。そし
  て、議論を楽しむ「ゆとり」も生まれてくる。

  本書は、ルイスキャロルのパズルや死刑囚のパラドックスなど論理
  パズルの名品、ギリシャの哲人による思索の粋、はては寅さんの口
  上までも題材に、強弁術・詭弁術の様々な手法と論理の遊びをじっ
  くり味わうことをテーマとした、「愉快な論理学の本」の古典。
感想:本書は1976年に初版が出て以来、今年2月にとうとう52版
  を数えた超ロングセラーである。このことは詭弁・強弁に悩む人が
  いかに多いのかを示している。今まで私が読んでいなかったことも
  不思議と言えば不思議だが・・・

  まあともかく、本書では有名な問題「鏡に写る像はなぜ左右が逆に
  なるのに上下が逆にならないのか」とか、「予測できない日に死刑
  を執行することができないパラドックス」とかについて、大変分か
  りやすく説明がされている。

  古典的3段論法の何たるかから分かりやすく説き起こすところから
  始めており、論理学のイロハを知る上で今なお格好の書であると言
  えるだろう。個人的には特に、死刑囚のパラドックスが結局は命令
  そのものが自己言及パラドックスを含んでいることを説明している
  ところが大変よく理解できた。
#死刑囚のパラドックスとは、こういうものである。
  王様は、ある死刑囚を「明日から1週間の間に死刑が執行せよ。
  ただし、その執行の前日に死刑の日時が予測できてはならない。」
  と命じた。・・・ところが、以下のように考えるとそれは不可能だ。

  まず、最終日に執行するのは不可能だ。その前日には、明日死刑に
  なることが予想できてしまうから。ということは、その前日にはど
  うだろうか。先の議論により、最終日の執行は不可能なのだから、
  前々日になってまだ執行されていなければ最終日前日に執行される
  に違いないと、すぐ分かってしまうではないか。・・・以下同様に
  して、結局「予想できないように死刑が執行できる日」はなくなっ
  てしまう!!
posted by 半端者 at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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