2007年10月01日

ウルトラ・ダラー

書名:ウルトラ・ダラー
著者:手嶋龍一
出版:新潮社
内容:日本各地から忽然と姿を消した7人の「印刷工」、その前
  後に東京湾に出没していた工作船、マカオでの資金洗浄、外
  務省高官の「背信疑惑」、日米朝・そして中国が仕掛ける危
  険な情報戦争・・・。

  著者が様々なルートから入手した機密情報(インテリジェン
  ス)をつなぎあわせ、巨大な国際的陰謀の構図を迫真の筆致
  で描き出した、驚愕の「ドキュメント・ノベル」。

感想:著者は、NHKの前ワシントン支局長で、2005年からフリ
  ーのジャーナリスト。これまでに培った東アジア・ヨーロッ
  パ・アメリカにまたがる膨大な人脈からもたらされた貴重な
  情報(インテリジェント)の数々をもとに、迫真の「ドキュ
  メント・ノベル」に仕立てたのが本書である。

  北朝鮮による拉致事件、同国要人の不法入国事件、偽札事件
  などなど、現実の報道と見事に符合するエピソードの数々を
  見るにつけ、いったいどこまでが事実でどこまでが脚色なの
  か分からなくなる。だが、確かに一般人のうかがい知れない
  ところで今日も過酷な情報戦が繰り広げられ、日本の国益は
  確実に損なわれていることは間違いなさそうだ・・・。

  一応主人公としてBBCの特派員(その実英国諜報部のエー
  ジェント)が据えられて、彼を巡り一癖もふた癖もある面々
  が活躍するエンターテインメントとしての側面も確かにある
  が、これは小説なのだろうか、と思わずにはいられない。結
  末の思わせぶりな(というか、尻切れトンボととしか思えな
  い)展開を見れば、これは単に情報ソースに迷惑がかからな
  いようにするために登場人物を仮名にしたり、細部にフィク
  ションを織り交ぜた「ノンフィクション」としかいいようが
  ない。ただそう明言したらえらいことになるだろう。

  「ドキュメント・ノベル」とは、よくぞ銘打ったものよ。
posted by 半端者 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 軽めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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