2007年10月21日

武光誠の怪談学

書名:武光誠の怪談学〜日本人が生み出した怪異の正体とは
著者:武光 誠(明治学院大学教授)
出版:青春出版社
内容:鬼・怨霊・幽霊・化け猫・・・日本的精霊崇拝と怪談はい
  かに結びついたのか。その起源と系譜を、日本独自の神道的
  世界観をキーとし、平安貴族社会→武家社会→江戸時代、と
  時代に応じて変化してきた社会と怪談の関係をダイナミック
  に読み解く。「日本人なら知っておきたい武士道」「同・神
  道」「同・古代神話」の作者による、痛快なる「怪談評論」。

感想:昔話には「怖い話」が多いことは、洋の東西を問わない。
  だが何を怖がり、どういった「怖い話(怪談)」が流行する
  かは、時代と地域によって異なっていることは明らかだろう。
  本書では特に日本人の歴史と怪談のかかわりについて、平安
  貴族の時代における怪談の起こりから説き起こし、神道的世
  界観に基づく日本独特の「怪談観」を説明する。

  続いて古今東西の怪談話の基本的構造を分類した上で、どの
  ような話がどの時代に流行ったか、そしてそれが社会背景の
  変化とどのように関わっているのかを読み解いていく。そし
  て、そこにはどんな昔話にも共通する日本的倫理観が常に背
  景としてあり、それが他の文化(絵画や他の文学)にも影響
  を与えていることを、豊富な資料を交えて分かりやすく解説
  してくれる。

  筆者は何かにつけて「神道的モラルに基づく教訓」へ結論を
  持って行ってしまう傾向がありその点は少々偏りを感じるが、
  それでも大変面白い「妖怪本」であると思う。
posted by 半端者 at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬めの書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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